洲本の家
house in sumoto

敷地は三熊山の麓、静かな場所にあります。

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クライアントからの要望はシンプルな平屋の家でした。

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敷地はどこにでもある分譲地に見えます。一般的な分譲地にある建物の建ち方としては日当たり

を優先して南側に小さくても庭をとり北側は閉じられていることが多いですがこの敷地において

そうした一般的な建ち方がふさわしくないように思えました。そこで、南北とも同じ窓の取り

方をして方向性を持たせないこと。ウッドデッキを南北の庭の双方につくることでどちらの庭も

使えるような配置としています。

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そうした窓と庭の配置により風は家の中をよく抜けます。また、明確な方向性を持たないため光

がいろいろな場所から入ってくることで家の中にやわらかく光は拡散します。大きな切妻の屋根

の下、家族の暮らしをおおらかに包むうつわとしてその在り方はふさわしいように思えました。

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そうしたおおらかさは仕上げにも共通しています。壁は土佐漆喰と漆喰。床はオークの無垢材。

天井はペンキ。木は杉、ニヤトー、メラピ、ラワン、タモと様々な材が使われています。要素

を少なくしてシンプルにするということよりも、多様な要素のどれかが突出することなくそこ

に在る状態にすることで、家の中に多様性が生まれます。シンプルさの中に多様性がある、そ

れは北欧の建築に通じることでもありますが、できた空間には温かくて静けさがあり、人の気

持ちにさりげなく寄り添ってくれるような包容力のある雰囲気となりました。

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家ができた時クライアントに言われたことがあります。

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無印の家のようなシンプルな家を最初はよいと思ってたが真っ白な空間はどこか魅せながら暮ら

すという部分がある。部屋が散らかっていても気にならないようなシンプルな暮らしのできる家で

あることが自分たちには合っていてこの家はおおらかな暮らしを包み込むうつわであると。」

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見た目はふつうだけれども、この家の持つおおらかさは暮らしの中ででてくる多様性を包み込んで

くれたように思います。それはクライアント家族のおおらかさに通じている要素でもありますが、

家が人をあらわす、ずっと暮らしていく家としては理想的なそんな家になったように思います。

image & text
簡素な切妻の家。

周囲の景観に自然と馴染む素直なかたち。

玄関扉のスリットから光が入る。

土間巾木は細長い石を縦貼り。

土間は大谷石。

LDKへの扉はピーラーで製作。

少し懐かしさのあるデザイン。

キッチンは対面式。

できた料理を子供たちがさっと運べる位置にあります。

リビングは畳です。

土佐漆喰の大壁が空間に安心感をもたらしています。

土佐漆喰。

藁を発酵させることから独特の色味がでています。

照明ブラケットは真鍮パイプを曲げて設計士が製作しています。

受け座はオークの無垢材を家具屋さんに加工してもらいました。

リビングから北側を見ると北側の庭に視線が抜けます。

壁の向こうは6畳の個室です。

個室前の廊下。

少し広いので本棚を置いたりユーテリティに使用可能。

個室は落ち着いた部屋とするため天井は低く窓は小さめ。

この部屋の上部はすべて屋根裏収納です。

こちらは北側の個室。

吹き抜けに面してロフトがあります。

平屋の家にも垂直方向の視線ができて拡がりが感じられます。

ロフトの奥には屋根裏収納があります。

12.5畳分のたっぷり収納可能なスペース。

LDKの天井はペンキ塗り。

ダウンライトのないすっきりとした天井です。

リビングは南側に大きな開口部。

北側にも同じ大きさの窓があるので風がよく抜けます。

外部にはウッドデッキを設けています。

室内外が連続するので暮らしが外にでていきます。

ダイニング側の開口部もウッドデッキにつながります。

南北にウッドデッキがある配置です。

ダイニング横にはちょっとしたものを飾れる小さなニッチがあります。

床のオーク無垢材18mmを棚に使用。

背面収納はオープンな棚に。

好きな食器を飾れるスペースです。

キッチン上部にはトップライトがあります。

料理するところは朝から明るいので気持ち良いです。

キッチンは南洋桜と呼ばれるニヤトー材で製作。

床はコルクタイルで掃除しやすいです。

キッチンの横は食品庫です。

その奥には洗面があり家事動線を便利にしています。

洗面も床はコルクタイルで掃除がしやすいです。

白い小さなタイルを用いて清潔な印象にしています。

枠回りは素材を巻き込んですっきりとした印象に。

木材はメラピというラワンに似た木を使用。

取っ手は真鍮を使用。

ゴーリキアイランドと千葉工作所のものです。

木はピーラー、ニヤトー、杉、オーク、メラピなど多様な材を使用。

すべて無垢材です。

ベンチにはミナペルホネンのタンバリンの張地。

床のオークともよく合います。

カーテンにはミナペルホネンのちょうちょ。

奥様が好きだったのでポイントで使用しています。

LDK夕景。

あかりを分散した配置とすることで居場所をつくっています。

温かくて穏やかな時間を過ごすことができる空間を目指しています。

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