温かくて静けさのある

穏やかな暮らしができる住宅をつくりたいと

考えて日々設計をしています

北欧を旅していた時

お気に入りのものが設えられた窓際

温もりのある室内の風景

人の居場所に寄り添うあかりなど

厳しい自然の中において

長い時間を過ごす家に何が必要か

暮らしが豊かであるということは

なにかということに対しての

とても自然体な感性に

感銘を受けたという点があります

豊かな暮らしをおくることは

効率を求めた上に成り立つものではなく

ふとした瞬間に四季を感じたり

使い続けながら美しくなるものがあったり

家が自然と親密であることのように思います

北欧の家にはそうした

自然と親密になれる感性が

さりげなく宿っているように感じます

北欧の建築家たちが考えていた

どのようにそこに暮らす

人の暮らしに寄り添えるか

そうして人に寄り添って

設計された住宅で暮らすことの

豊かさをひとりでも多くの方に伝えたい

そんなことを思いながら

今日も設計をしています


about


左官

可能な限り室内には左官をおすすめしています。なぜ左官がよいか?と言われると少し困ります。調湿性能があったり性能面の部分もありますが、そういった部分よりもとにかく人の手が入った表情はなにものにも代えがたく美しさや温もりを感じるからというのがその答えかもしれません。ぜひ多くの方に左官でできた家に住んでいただきたいと願っています。

無垢の木

木は無垢が好きです。木目調のシートなども現代の印刷技術でその違いは分からなかったりもしますが、やはり年月が経つと剥がれてしまいその存在は失われます。無垢の木であればまたやすりで削ってあげてオイル塗装をしてあげればその表情は甦ります。そして、表情が変化するのもよいです。家ができて完成よりも何年後かに馴染むくらいがいい家と考えています。



装飾的な要素は建築家で嫌う人も多いですが、単純に布が好きなのでカーテンなどで使用します。この布はミナペルホネンですが、この布があることでこの窓辺にはホっと一息つける居場所ができています。住宅の壁、床、天井は固い表情になりがちです。そんな固さをやわらげてくれるものが空間にあると心のより所ができるように感じます。

手触り

手で触る場所にはお金をかけるようにしています。建築家の中でも住宅作家といわれる居心地の良い住宅をつくっている方たちの受け売りではあります。手で触るということはこちら側からあちら側へ行ったり、閉じられているものを開いたり変化を生み出すことです。そのきっかけが優しいものであればいいなと思い、手触りのいいものを使うようにしています。

あかり

北欧の家には美しいあかりがあります。長い冬を過ごすために室内には穏やかな温かさが必要であったからかと思いますが、そのあかりは心がとても落ち着きます。静けさは苦悩や恐れを真の意味で癒すと尊敬する建築家の言葉ですが、かっこいいあかりよりも、家に帰ってきて落ち着いた時間が過ごせるようなあかりがあればと考えています。

構造

なるべく木に負担がかからないようシンプルな形状にしています。材料は内部割れの少ない中温乾燥で、柱は杉か桧、梁は米松が基本としています。柱も現在の流通ですと105角が多いですが、材同士の仕口の欠損を考慮すると120角の方が材に粘りがでるのでおすすめしています。耐震等級という数値でみるのではなく、長期間性能を発揮できる木材を推奨しています。

断熱

自然素材の断熱が使用できればよいですが、コスト面でグラスウールになることが多いです。ただし、グラスウールでも寒冷地で使うような密度の高い20Kのものを使用しています。断熱も水と同じで穴が開いていればそこから熱が逃げていってしまいます。施工時にきちんと施工されているかチェックしてあげることで性能が担保されるよう慎重に現場監理をしています。

外のある暮らし

実家の庭にウッドデッキをつけた時に、外に暮らしがひろがっていくとこんなにも世界が違うのかと驚いた経験があります。人におすすめしたいものはなんとしてもおすすめしたい性格なので、ウッドデッキは自分でつくることにしており、どの家にもつけています。季節のよい時期は短いですが、それでも外で過ごす時間は暮らしを豊かにしてくれると思っています。

office

-森本敦志-

1985 神戸市生まれ

2003 兵庫県立兵庫高等学校

2007 兵庫県立大学環境人間学部

2009 兵庫県立大学大学院環境人間学研究科

2010 設計事務所勤務(神戸、夙川、長野)

2016 森本敦志建築設計事務所設立

一級建築士事務所登録 第01A04267号

一級建築士番号 第349919号

-事務所所在地-

office 兵庫県神戸市北区桂木

atelier 長野県飯田市高森町