色調
久々甲陽園の家に。
この家、とても居心地よいんですが左官のほんのりちょっと薄いグレーが入った白がとてもよいです。また、天井のクロスなどエコフリースはリネン色を使っておりそれもほぼ白ですが、白の多様なその色調の組み合わせがよいです。
壁と天井のベースっていわゆる白なんですが、ちょっと色が入ってることで持ってるものの落ち着き具合とか変わってきます。色って明るい、暗い、濃い、淡いといったように明度、彩度に分かれていますが、おそらくその色調のベースがなんだか合っていて(お持ちのものも含めて)この空気感が出てるんではという気もしています。だから例えば木の家具があるとしてその色調が壁や天井にも反映されるのかなと感じたり。(静かな壁や天井なんだけどもどことなく温かい雰囲気があるのはそういうところ?かなと)
エコクイーンでNSZ-2をこの家は使いましたが、この色を別の家で使うとまったく違う色に見えたりします。この家でよかったからといって他の家で使うと合わないということがありますが、何か色味を合わせていくときにこの色調の感覚って大事なのかも・・・と思わせてくれる体験ができる家なのかもしれません。(結構住まい手の感性にブレがないので起こってることな気もします。個人的には壁、天井の色もそうなんですが、玄関の土間部分をレンガにしたのと既存建具にfarrow&bollのMahogany色を塗ったのが大きいなと思ってます。そこ話だすと長くなるのでやめますが・・・)
家ってできてみてからそうか・・・そういう技法も使えるのかと新発見があることしばしばですが、そういった気づきの学びが大きかった現場ってとてもいいもんです。今回もなぜこの家は居心地よいのだろうかを考えてましたが、よくインテリアでいわれる色を合わせるとまとまって家がかっこいいですよ、センスいいですよみたいな話とは違って、色調という尺度を持って考えると情緒的な部分へ多少アプローチできるのかもなあと思ったり。
色調ということば自体曖昧な調子を含んだ言葉ですし、比喩的に物事の感じやぐあいを含む意味もあるようなので、そうした曖昧な領域を意識的に設計をきちんとして家をつくっていけたらと思います。こうした素敵な家をまたその時々の条件でいろいろ変わりますがその場その人に合った色調でつくっていけたらとは思いますねえ。