設計士が左官?

京丹後のモデルハウスも順調に進んでいます。

なぜか玄関周り、書斎、子供部屋を私が砂漆喰を塗っています。設計士が左官をするというまあいつもの私のスタイルなんですが、モデルハウスでもするの!という感じもありつつだいぶ塗れるようになってきたのでいい雰囲気で仕上がりました。

昨今の価格高騰によって富裕層しか家は建てれないのではないかという感じになってきましたが、うちはありとあらゆる工夫してなんとかしています。左官をするのも高嶺の花である左官をなんとか実現したいという気持ちからですし、最近、お客さんのために自分より現場で働いてる設計士はいないなあとも思ったり。(単純に、現場にこれだけ出るとしんどいので・・・西宮のリフォームでは3kg痩せたし毎度フルマラソン走り切った感覚・・・)

と言ってるそばで、工務店の社長さんも外壁にウッドロングエコ塗ってましたが、さらっとそういったしんどいことをできるのってすごいなあと他人事のように見てます。私だったらそういう人間に家をつくって欲しいなあと思いますが、なんだかそういう人情みたいなところ、愛着を持って仕事したいというところの気が合うのかなと思ってます。そしてそういった感覚を分かるお客さんと仕事したいもんだなあとなにより思います、自然とそういった人のためなら頑張れるので。

家づくりって結局は人のセンスがよくよく出るものなので、人を見る目って大事だったりします。SNSとかで家づくりに関して文句を言ってる方もいるけれど、文句を言われてる側の会社も99%の仕事がうまくいっていて1%の人が文句言ってるとかであるならば会社としてはしょうがなくないか?とも思えたりもするもんです。(どんな人でも合う人、合わない人というのはいるものなので、相性悪かっただけでどちらが悪いというものでもないですしねえ)

私の場合は知らず知らずこういうスタイルになってたわけですが、意匠的に、機能的に、性能的にきちんとしてることはもちろんのこと、他の設計士さんだったら予算が足りないと諦めて安い仕様にしてくださいねとなるところを塗装や左官や大工仕事をDIYして踏ん張ってきたことで予算以上の質で建築を渡せるようになってきたなあと感じています。

うちの予算の1.2~1.5倍くらいの予算で他の設計士さんって仕事してるよなあと話を聞くとすごいなあと思ったり。予算が少ないけどこの人ならなんとかしてくれるのでは?と消去法でうちに仕事がきてる場合もあるかもしれませんが、結果的にもともと頼もうかしらと思ってた高予算の建築家さんより質の高いものをもし渡せるのであればいいなあと思ったりしますし、私自身掘り出しものって結構好きなのでこれからも目立たずひっそり掘り出し物感は大事にしつつ仕事していけたらなあと思ってますねえ。