建築家とは?
仕事中のBGMですが、YOUTUBEで聞く好きなチャンネルがあって特に吉村順三さんの新日曜美術館は毎日聞いています。
建築家と言ってもいろんなタイプがあって私はどちらかといえばこちら方面?で生きていきたいなあとは思ってるので心に響く言葉がたくさんあるというか・・・いつも聞いています。(後は堀部さんと長田さんの左官の対談とかも心地よい音声なのでいつも聞いてるかも)
建築家というと敷居が高く思われがちだし言うことを聞いてくれないのではないか?と思ってる人もいますが、ほとんどの人はこの仕事が好きだからやっているというだけなのでどちらかと言えば柔軟な人も多いなあとは思います。好きなことを仕事にしているので得る知識の量も多いし、いろんなことを知ってるからできることも多いのかもしれません。たまにデザインしかできなくて建築家なんてろくでもないとポジショントークをしたがる人もいますが、逆にその批判をしている人たちは豊かな暮らしや世界観を持ってるのかと言えばそういうわけでもなくて・・・知りたいこと、やりたいことをそれぞれ突き詰めていいところがあるのでそれぞれが思う豊かさの定義はそれぞれが持っていたらいいのかなとは感じます。
と言いつつも、吉村順三さんのような豊かな世界観に触れたらだいたいの人はただの凡人にしかならないわけで、豊かな暮らしをつくれる人ってただただ尊敬しています。一般的に数値で表すことができるものって経験が無くても理解がしやすいので多くの人はそうした情報を与えてもらうと安心します。耐震、断熱、気密などが特に分かりやすく数値が出るのでより数値がいいと安心するのかもしれませんが、ある段階になると体感としても分かりにくい誤差だけになるので・・・数値を見て安心してるのって払ったお金に対して自分の価値観が分かりやすく肯定してもらえるからだとは思いますが、その人の持ってる豊かさがかたちとなって、暮らしとなってみえてくることって見えないものなのでなかなかそこにお金を払うという感覚にはならないのかもしれません。
いいうつわ、いい本、いい家具、いい音楽、いい映画、いい写真など豊かさをそのものに内包したものに興味がある人は見えないものでも安心して自分の感覚を委ねることができると思いますが、このあたりの感覚をどう伝えていったらいいのかなと考えつつ突き抜けて美しいものをつくりたいわけではないので、この新日曜美術館の吉村順三さんの回の空気感を素敵だなと思ってる自分の感覚を信じてそういう感覚の人に仕事を頼みたいなあと思ってもらえるように日々過ごしたいなあとも思います。
特に好きなシーンとしては、東山魁夷さんの奥様が「何年経っても、飽きないんですねえ」と言われてるところですが、ほんとに日々過ごしてると素敵な家なんだろうなあと。
まあ、長い時間を経てもそんな風に想ってもらえる家をつくりたいですし、そういう家をつくれる感性をこころに宿していたいもんですねえ。