京都ぶらぶら

たまーにインプットするのも大事なので京都をぶらっと。ちなみに甲陽園の家の画家さんと一緒に行きました。たまに言われますが森本さんって昔から友達でないお客さんと出かけたり遊びに行ったりなんなら泊めてもらったりすることあるけど変わってるよね?とのこと。たしかに確かにあまりそういったことって他の同業者さんだと少ないかもしれません。まあ性格がものすごく明るくて左官とかするにしてもワークショップでみんなでわいわいやりましょう!みたいな感じは一切ないので、ただその人のための家に向き合い続けて、その人のことをよくよく知るから一緒に楽しく出かけれるのかなあ・・・分からんです。

さて、京都ですがいつもイノダコーヒー行ってナポリタン食べて満足してしまうので、今日はちょっと違うとこに。(京都といえばイノダでナポリタンさえ食べれたら幸せなのです)

まずランチは「ハハハ」に、韓国料理で済州島の料理ということでとっても楽しみ。済州島は昔行ったことあって日本に近い島ということもあり、風土的なものかなんだか民家の感じも沖縄と似ていたり、食もそこまで辛くなくて魚とか特においしい!という印象があったので食べたいなあと・・・結局メニュー名は忘れちゃったんですけど、素朴なスープでとってもおいしかった。ちょっと辛い味噌とかを混ぜながら味を調整して食べるのがミソとのこと。欲を言えば小鉢をまだくるの?何考えてるんだろう・・・というくらい机に並べてくれると韓国の食堂感出て嬉しいですが、大満足でした。

次は「セブンティープラス」というお茶屋さん。緑茶からウーロン茶からジャスミンティーから紅茶までいろんなお茶があってたくさん並んだ茶葉から選んでその場で飲めるとこ。黄茶とか初めて聞きましたが、分類として発酵度合いが低い方から緑茶、白茶、黄茶、青茶、(黒茶)、紅茶という感じらしく、そっか色分けしてあって紅茶ってそういうこと?とか知らなかったお茶の世界を丁寧に教えてくれるので楽しめました。接客してくれた方もとっても感じよかったので、そういう人と会った時に京都でお茶が飲める素敵なとこ他にありますか?と質問したりするようにしてますが(専門的なことはその道が好きで働いてる方に聞くのが一番!)いろいろお店教えてくれてまた京都行く楽しみできる。

続きまして、うつわとか見に行こうかということで、行ったことない「ヤマダエムピーディーアートクラブ」、「ギャラリー菜の花」をまわる。次は「ヌヌカライフ」目指しましたが私のうっかりで休みだったけれど近くにあった「ユキ・パリスコレクション」に入ったら北欧ヴィンテージの名品家具などがあってびっくり。そしてフローリングがとんでもなく美しくて写真撮っていいですか?と受付の方に聞いたらちょうどオーナーが向こうから歩いてきたので聞いてみてくださいと言われて振り返るとなんとそこにはユキ・パリスさんが!

この床・・・なんでしょうか?とお伺いしたところこれはオレゴンパインでかくかくしかじかいろいろな話を聞かせてもらえて、北欧ヴィンテージ家具の説明やなんでしょう・・・いやあ、ほんとものすごく素敵な人でびっくりしました。丁寧で私が若いとか年齢とか分け隔てなく対応がフラットで、優しくてことば遣いひとつひとつがほんとに柔らかい。本ではちらほら見てましたがお会いすると素敵すぎて、人に久々感動しました・・・(ちなみに、2階の有料の展示室にあった1800年のスウェーデンの刺繡とかすごい無垢なものでこちらも素敵でした・・・入口のモーエンセンの家具もすごい!)

さて次どこ行こうで次は「歩く鳥」に。そこからまた二条城の方に移動して「KIT」、「KANKAKARI」にも。

「KANKAKARI」ではiaiの展示会してるとのことで、写真では見ていた服が一体どんなもんだろうと。私は別におしゃれではないのでおしゃれモンスターだらけの場所に飛び込むのは気が引けましたが、こんな貴重な経験できることもないだろうと思って思い切って行くことに。(甲陽園のお客さんはとってもおしゃれなので一人では行けなかった感じはある)美しい世界観をインスタなどで見てましたが実物の服のディテールがすごくてこれは・・・と頭が追い付いてないところにぜひ服を羽織ってくださいと羽織らせてもらいましたが軽いのに重いという。矛盾したことを言ってますが、物質としては見た目より軽くてふわっと体を包み込んでくれるのに着ている時間はいろいろなものを感じる、そしてその感じてるものが心地よいのはつくってる人の感性だなというのが伝わってくる。着ていると日々見ている風景や音や色が感じられ、そうした普段感じておられる感性を服にいかに定着させていくかがほんとに無垢な感覚なので(針の1本1本もランダムというよりかは自然な感覚を目指している感じ)出てくるディテールの集積で重いというとネガティブにも聞こえるので奥行と深みがありますという感じなのかなあ。(感覚的には、ほんとに軽くて重くて心地よい!という感じ)

建築も実際の空間で考えに考えたものの集積でそうでありたいと思いますが、こういう服だったんだ・・・とここでもいろいろな学びがあって思い切って来てよかったなあと。帰って来て考えておられることをいろいろ調べましたが、自分の心が喜ぶものを選択していくことをほんとに誠実にしていくとこういうものができるのかと。私自身はいい服着ててもそれジャスコで買ったん?と言われるブランド殺しなのでこうした素敵な服は着こなせないので外に着ていくのは難しそう・・・と感じたけど、家でずっとこれを着ていたら幸せだろうなあと。(超高級半纏になるけども)力のあるものをつくれる才能ってすごいな・・・と大きな感性を受け止めることになるので今日の最後でよかったなと思ったり。

と、他にも歩くプードル男や自転車に乗るハリウッドザコシショウなど変わった人にも会えて情報量多くて疲れたねえ・・・でしたが、たまにはインプットは大事なのでいい経験たくさんできてよかったです。最近設計事務所ってハウスメーカーや工務店とどう違うのか?と考えたりしますがこのインプットの作業の深さなのかなと思ったりします。設計事務所って感性が育ってないとなかなか個人で独立して仕事するのって難しいので、いい建築を見ている、いい風景を見ている、おいしい料理をつくる、美しい和菓子を食べる、心地よい服を着ている、いろんな感覚が積み重なってその上でつくるものってその経験が自然と出るものなのかなと。そういう経験があると左官の光と影が必要にはなるし、木も集成材では雰囲気をつくるのは難しいし、塗装もべったりするのではなくムラが多少ある方が空間で落ち着くし、自分が選択して提供したいものの奥行にはユキ・パリスさんと出会って感じたことや、iaiの服を羽織った時の感覚、ハハハでの楽しそうにお客さんが食事している様子などが隠されてるのかもしれません。

と、そんなわけで京都にはロマンスがあちらこちらに溢れてたなあということでロマンス宣言をどうぞ!