片持ち階段

屋根裏に上るための階段です。
今回はJパネルという強度の高い材料を使ったので手前に受け材の無いこのかたちでできています。
こうした階段、バラガン邸の階段が有名かと思いますが、上り下りするときに不安定な感覚があると屋根裏に上がるときに違った世界に行く感覚があっておもしろいです。
もともとここは床の間があった場所ですが、階段ができることで上に行くところがあるんだなという感覚になりますし、そうした感覚が部屋の中にあることで垂直方向にも空間がひろがっていくので家が広くおおらかに感じるようになります。

施工途中に現場から送られてきた写真ですが、奥だけで止まっているのが分かるかと思います。
床柱の裏側で1本横に補強を入れてますがこれが効いていて、これだけ持ち出していても揺れがほぼないという仕上がりです。また大工さんのビス止めをどれくらいしたら効いてくるかという感覚も大事ですが、見えない箇所を丁寧に施工してくれてるので軽く見えるけどしっかりとした階段ができあがってます。

主な機能としては階段なんですが、朝来のお客さんはCD置き場にして楽しく使ってくれてます。

もともと床の間があった場所なのである意味機能を引き継いでいるというか、家の奥にものが佇む場所があるという感覚がこの家をより魅力的にしてるなあとも思います。住宅の中にはそうした本来の機能+こうして使ってみたくなる場所というものがあるといいもんだなあと感じますが、そうした見立てができるようなものをさりげなくつくれるといいよなあなんてこの家の楽しい雰囲気をみると思いますわねえ。